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環状音高表示器(後編)
「明日に続く」と書いたブログですが11日も経ってしまいました(^^;
前回の続きを書きます。

音の性質から見直してみると、たとえば人間は3C(ド)と4C(ド)で1オクターブ違ってもCとして同じように捉えています。1オクターブ毎の周期で同じドならドとして感じているわけなので、オクターブは違っても取り敢えずこれを一緒にして表示することにします。
また、平均率音階ではC#とD♭は同じ音高ですから表示としては同じであるべきです。
そのように考えて音高を環状に配置された12個のランプで表すという基本方針を決めました。
音高が変化するとルーレットのように輝点が移動するわけです。ドレミファソラシドと、1オクターブ上がると輝点が一周して元の位置に戻る。そんな表示器を考えました。

次に音が上がったときに輝点の回転方向をどちらにするべきか?を考えました。
音高を環状の輝点として配置しましたが、これは本来は螺旋状に配置すべきものを平面に投影したと考えるべきです。音が高くなると螺旋を登っていくイメージです。
ではその螺旋は右巻きか左巻きか?
回転と進行を伴うものにネジがあります。人間の感覚に合ったものとして、全世界ほぼ共通して右ネジが支持されていると思います。これは人間の9割が右利きであり、右手では右に廻すときにより大きな力を出ることが広まった最大の原因だと思うのですが、感覚としても右に回ったときに先に進むことが自然に感じられます。この感覚が本能なのか文化なのかは分かりませんが、とにかく右ネジを採用することにします。
では次に、先に進むとは音が上がるか下がるかを考えてみます。ネジを廻すときに、下を向くことが圧倒的に多いでしょう。また、下向きは音が下がるとするのが、感覚として自然に思えます。
ここから、音が下がるときは右廻り。上がるときは左廻りと決めました。

次に基準とするCの位置をどこに配置するか。
候補として頂点、時計の12時の位置、右側の3時の位置、下の6時の位置があると思います。
音が上がる(数値が大きくなる)ときに左廻りに回転する系というと、数学で使う単位円を連想します。この単位円は(x,y)=(1,0)の位置、つまり3時の位置が始点ですので、少しは数学に馴染んだせいか、この位置が自然に感じられるので採用することにしました。もう一つの理由は、左手にはめたケロミンの口を閉じたときに口の回転中心から口先が感覚として3時の方向になっていることです。この時に口を開いて音が上がる向きが表示器の回転方向と一致するのでこの意味でも感覚にマッチすると考えました。
基本は3時の位置に決めたのですが、実際のケロミンの表示器では7セグメント表示器の周囲にLEDを配置する関係からちょうど3時の位置には置きにくいために、2時半の位置にしています。

こういった経緯で決めた表示器は以下の画像のようになりました。

演奏時の表示器動作の動画
| 電子楽器 | 09:54 | comments(0) | - |
環状音高表示器(前編)
ケロミンの考え方の説明は一通り終わっているせいで、前回の更新からずいぶん経ってしまいました。今回は前回の更新時には特許出願の関係で書くことを控えてきたものの一つである環状音高(ピッチ)表示器について書いてみます。

昨年1月に「音の高さの表示方法」として、7セグメント表示器を使って表現することを説明しました。

これはこれで曲の始まりに口の開度を合わせる用途には役立ちます。しかしケロミンの操作系としては演奏中に直観的に把握できるものが望ましいと考えています。音高が変化する演奏中に使うことを考えると文字を読みとることはかなり困難な作業であるので、文字で示されても殆ど役に立たない。音高の表示にはアナログ的表示の要素が不可欠だろうと思えます。

市販のキーボードを見ると、音高の表示形式としては、五線譜上の音符の位置を用いて表しているものが主流であると思います。
ケロミンに音高表示器を搭載しようとすると、五線譜を使ったものはスペース的に困難であるし、音楽素人の自分には、そもそも五線譜上の音符を見ても直観的に把握するのが難しいのです。よく使うト音記号の五線譜の下のド(3C)から上に1オクターブぐらいまではまだ分かるのですが、そこから上の領域や下の領域を見せられても、線の数を指を当てて数えないとピンと来ないのです。まして#や♭が付いたものが演奏のリアルタイムで表示されたとしてもサッパリ分かりません。

 そもそも1オクターブが12個の半音からなっているのに、それを全音と半音が混在する五線譜で表現すること自体に無理があると思うのです。音楽家はそれをセンスと訓練とで乗り越えているのでしょうけれども、子供の時に音楽の成績が1であった”なんちゃって楽器開発者”のケロの宮にはセンスは無いし、とてもそれを乗り越える訓練をするガッツがありません。何よりもケロミンのコンセプトである直観的に使えるものにするためには別の表現形式が必要であると考えました。(明日に続く)
| 電子楽器 | 11:55 | comments(0) | - |
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