6月にケロミンが誕生してからほぼ毎日、短い時間ではありますが演奏しています。
ケロミン7号は仕事として触るというよりも、息抜きにふと手が伸びる愛用品になっています。
自分が創ったからということを別にしても、毎日触れていて楽しいのです。
ケロミンのコンセプトを考えた頃は、1カエル1楽器ということで、
アマガエルの場合はヴァイオリンの音をなるべく忠実に再現することを考えていました。
しかし、毎日接しているうちに、オーケストラについての1カエル1楽器は良いとしても、
ケロミンはケロミンであって、既存の楽器を模すことにあまり力を注ぐことは道を誤ると考えるようになりました。
現時点で私の考えるケロミンの目指すべきものは、
1,音楽の初心者であるとか、これまで音楽に縁の無かった人、苦手意識をいだいて
いた人に演奏する楽しさを実感してもらうこと。
2,人の心を和ませること、人と人との心を結ぶための潤滑剤となること。
この2点に集約出来るのではないかと考えています。
演奏を身近なものにして、弱い者、疲れた者に優しく、心が安らぎ、
平和な気持ちになれる楽器として受け入れられたら素晴らしいなと思っています。
ヴァイオリンにはピッチカートという指先で弦を爪弾く奏法があります。
はじめはケロミンでそれを模すことを考えていましたが、
ケロミンの操作系には馴染まないので今は止めることにしました。
ヴァイオリンにはこの他に音階に区切られた高さの音と音の間を
グニュっと連続的につなぐグリッサンド奏法というものがあります。
音の高さを決めるために本来連続的な口の動きを用いているケロミンにとって、
この奏法を再現することは向いていますので、これは予定通り採用しようと思っています。